講師:西東京市立田無第一中学校 教諭 濱脇 みどり 氏
(実践校:豊島区立千登世橋中学校)
中学校必修授業で美術館訪問が難しいわけ
◇ 近くに美術館がない
★ 授業時数が確保できない
★ 美術館との連携が難しい
★ 校内の理解を得ることが難しい
⇒★に関しては、活動のねらいを明確にすることで先に進むことができる
「ふつうの中学生を美術館に連れて行く」ことの意味
「場」・「本物」の力 ⇒ 深く味わう・見方を広げる ⇒ ?
鑑賞活動の人格形成上の意味
◇ 自分の内側(心のありよう)と外側(他者・世界のありよう)について知る
(感じ取る・理解を深める)
◇ 楽しみ、充足感を得る
⇒現代社会を自立的・主体的に生きてゆく上で有効
子どもたちの様子(豊島区立千登世橋中学校)
◇ 仲間関係を第一に考える
◇ 人とのつながりを求める
◇ 集団の一員という意識が希薄「天然自己中」
◇ 好奇心が強い
◇ 美しいもの、質の高いものへの憧れ
◇ 興味関心の多様化・細分化
◇ 関係ないと思うや「冷淡」に
美術館鑑賞を行ううえでの不安
◇ 見知らぬおとなに心を開いて鑑賞活動に向かうだろうか?
◇ 発言を引き出せず、盛り上がらない
◇ 説明ばかりでは興味を持たせられない
キーワードは「つながり」
◇ 人とのつながり
◇ 日常とのつながり
◇ 造形活動とのつながり
鑑賞活動が人と人を結びつけ、子どもたちの中に自分達の日常生活や造形表現活動とつながりのあるものとして価値づけられていくことを目指す
活動のポイント 立ち寄り型鑑賞活動
★2人組で行動
◇ リラックスしながら美術館の空間にとけ込みやすくする
◇ 共に見て話し合うことで見方を広げ、深く味わう
★ボランティアガイドと話す
◇ 一つの作品について知らない人と語り合うという経験から、コミュニケーション力と連動させた鑑賞力をつける
◇ 新たな情報や見方を手に入れることで深く味わう
時数の確保
◇ 他教科・領域との複合カリキュラム
本実践では、本校の「総合的な学習」のテーマ「共に生きる」と関連させ、「総合」との複合カリキュラムとして6時間扱いで実施
⇒ねらいや意義を学年集団をはじめ、校内に明確に示すことで可能になる