平成29年夏季研修2日目

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8月10日(木) 2日目
作品を持ち寄ってのグループ協議
「生徒に身に付けさせたい力」「生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を育むには」
講演:文部科学省初等中等教育局 教育課程課 教科調査官 東良 雅人 先生

■ ご挨拶
まずはじめに、都中美会長の練馬区立三原台中学校校長 江川誠志先生からご挨拶がありました。次に、教科研究部担当の板橋区立板橋第一中学校校長 増田裕子先生から研修の趣旨について説明がありました。最後に、都中美研究局長の西東京市立ひばりが丘中学校 長尾菊絵先生から、研修の流れと意図について説明がありました。「都中美の研修」についての詳細はPDF版をご覧ください。
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① グループワーク1
作品の紹介と、他グループ作品の見学

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10グループに分かれて自己紹介し、持参した作品について解説や、工夫・苦労・成果等を発表しました。その後他グループの作品を鑑賞し、気になる作品についてメモしたり話し合ったりしました。1時間半という時間が短く感じるほど、なごやかな中にも充実した時間になりました。
② グループワーク2
「美術で身に付けさせたい力」についての協議

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「美術で身に付けさせたい力」について、前半の鑑賞をもとに「そのために工夫したこと」「成果と課題」「どういう声かけを大事にしているか」ということに重点を置き話し合いました。展示した作品をもとに協議を進めたり持ってきた資料や指導案からさらに内容を発展させたり、各グループに1人づつ配置されたファシリテーターを中心に協議を深めました。

③ ワールドカフェ
「生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を育むためには」

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20分×3回 ホーム1回 アクションプランについて話し合い

昼食をはさんで「生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を育むたまには」というテーマでワールドカフェを行いました。1回目のテーマは『生徒が美術で生活や社会と豊かに関わっていると見取ることができたエピソード』席替えをして、2回目は「先生が仕掛けたその具体的な手立て」3日目の席替えでは「美術によって生活や社会が豊かになったと実感したこと」について話し合われました。最後にホームチームに戻り振り返りを行い、各自自校に帰ってからのアクションプランをまとめました。

■ 講演
「中学校美術科の新しい学習指導要領の改訂の方向性」
文部科学省初等中等教育局 教育課程課 教科調査官 東良 雅人 先生

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今回の美術科の改訂では,改訂の方向性にある、「社会に開かれた教育課程」を実現する観点から、美術は何を学ぶ教科なのか、何ができるようになるのかを明示し、生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を育成することを目指している。
そのため目標を、何を理解しているか、何ができるか「知識及び技能」、理解していること、できることをどう使うか「思考力,判断力,表現力等」、どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱の観点から整理された。この三つの目標を相互に関連づけなから育成していくことが大切である。
また、三つの柱で整理された教科や各学年の目標を受けて内容が整理されていることから、この目標を理解することが重要であり、目標の理解がより内容についての深い理解につながるといえる。

生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を育むためには、造形的な見方・考え方を働かせることが大切である。造形的な見方・考え方とは、感性や、想像力を働かせ、対象や事象を造形的な視点で捉え、自分としての意味や価値をつくりだしていくことが考えられる。また,造形的な見方・考え方に示された造形的な視点である、「木を見る視点」(造形要素に着目してそれらの働きを捉える視点)や、「森を見る視点」(全体に着目してイメージを捉える視点)を豊かにもてるように育てていく。

内容については、「A表現」が発想や構想に関する内容と、創造的な技能に関する内容に一層整理されている。また,発想や構想に関する学習において全ての指導事項に主題を生み出すことを位置付け、主体的で創造的な活動を重視している。「B鑑賞」は、「美術作品などに関する鑑賞」と「美術の働きや美術文化に関する鑑賞」に整理されている。

全ての子供たちは豊かな存在であり、学ぶ存在である。美術科の学びが創造活動の過程にあるならば、子供が学んでいることを見取る力が指導者には必要である。
■ 謝辞
西東京市立明保中学校校長 矢野 尊久 先生

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たくさんの話を聞き、勇気づけられました。子ども中心の授業、原点に戻って今回の研修を活かしていきたいと思います。